可能を不可能にする、

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今日奇妙なことがあったわ。

6時限目の古典のときにプリントを解いていたら、突然後ろで物が落ちた音がしたの。

けれどこれってよくあって。

私のクラスの子達って、みんな机の板と鉄の棒の間に辞書を立てかけているから、

一日一回くらいは何処かの机から落下音がするの。

なんだけれど、今日の辞書の落下は変だったのよ。

いつもの如く重い物が落ちる音がしたから、

私も隣の男の子も驚いて後ろを振り返ったの。

そうしたら、自分の辞書が落ちてしまった筈なんだから普通は拾うじゃない?

それなのに後ろの子達ったら拾おうとしないの。

話を聞くと、二人は辞書を教室の後ろにある棚に置いていたらしくて。

後から見てみると本当にその二人の棚の中には辞書が入っていたわ。

私のも後ろの棚の中にあったんだけれど、例え後ろになかったとしても

辞書が置けるスペースは机の前に付いているから、私の辞書でないことは確かなのよ。

残る可能性は私の隣の男子、

その男の子、辞書を少し前になくしていて。

彼のかしらって思ったんだけれど、(彼って書いたけれど私の好きな彼じゃないわ!)

結局傷み具合等が違ったらしいわ。

じゃあ一体誰のもの?ってなるじゃない。

そろそろ四人とも怖くなってくるのよね。

だから色々と仮説を立ててみる作戦。

誰か辞書を投げたんじゃないか、(これって実際には有り得ないわ、

だって真上から落ちてきたし、何て言っても重いもの!)

やっぱり二人のどちらかの机に立てかけてあったんじゃないか、って。

最終的に死神まで登場しちゃったのよ!

DEATH NOTE為らぬDEATH DICTIONARY、だなんて。

その所為でキャラでもなくボケろだなんて無茶振りはされるし。

やってやったわ。

あ!後ろに死神憑いてる…――君のこと恨めしげに見てるわよ!

ナイスリアクションで返してくれたからまだ救われたけれど。

兎に角、結論としては俗に言う怪奇現象よね。

けれど私、霊なんて信じていないわ。

きっと迷宮入りなのよ、今回の辞書騒動は。

実を言うと、何処から落ちてきたのか解明したくない訳ではないけれど。