一目惚れ

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シルクスクリーンの集中講義はそれ自体ものすごくおもしろかったしお兄さんかっこよくてにやける。考えたことを実行しない悔しさはそれはもうとてもとても身に染みているので、そしてどちらに転んでも私にマイナスになるようなことは何ひとつなかったので、当たった、ら、砕けるどころか成功した。
19になっても未だにちっとも信じられないのは自分が男性に認められているということ、確かに成長して見目は良くなったかもしれないけどそれでも昨日同級生に会ったら自分の変化のなさと質素さに落ち込んだし、自分でもナルシストになって良い気になることは多いが、美人と言われることが増えたけど、やっぱり私はすっぴんは貧相だし変わっていない。
大学生になっていきなりナンパだったりデートだったり、小中高の私じゃ考えられないことばかりで騙されてるみたいだ。
実は私は周りが立てているだけでただの下の下くらいなんじゃないだろうか。
という気持ちがあるので男性から良い返事が返ってくるとはこれっぽっちも思っていなく、ましてやその日に返事がくるなんて。
中学生くらいのだっさい私を通して私は驚いた。
時々今みたいな容姿で制服学生時代を過ごしていたらどんなだっただろうと考える、きっといじめ的なものは存在しなかったし中学生で恋人がいたかもしれないし、でもそんなことはどうしようもなくて、その苦い思い出の分だけ今良い思いをしまくっているのだと本気で思っている。
男性と話すこと自体稀少だったのに気持ちがられずに向こうから話しかけてくる、今の状況は未だに奇跡だと思っているし、多分いくつになっても新鮮でありがたいことだと思えるだろう。
本当の私は考え方も容姿も中学生くらいのままなのだ。それだけ傷が深かったというのは悲しいことだけどまあ100歩譲ってメリットでもあるだろう。
というわけで会えて良かった、そして私の一目惚れは本物だった。
あの生気のない目とサルエルのゆるいファッションと丸っこい髪型と骨格とフォルムと、そうだ、私が惚れたということは骨格が好みだったからに違いない。
でも私は一人の男性として恋をしたのでアーティストとしての彼には興味が湧かなくて、それとは別にシルクスクリーンには興味津々なんだけど、そこの間は結びつかなくて普通に外で身の上話をしたいと思う人だ、けれど大学を通してしか会えない仲なので私は困っている。かっこいい。
恋煩ったのなんて久しぶりすぎてこんなに苦しいのやばい。同族じゃなきゃ会えなかったけど同族なのがすごく厭である。