折角テスト前だからメール出来ないんだわ、それなら仕方ないわよね、って自分を納得させていたのに、全部水の泡。昨日彼女とメールしてたんじゃない。わたしの一昨日のメールは途中で返信しなくなったくせに、それでいて昨日も今日もなんにも弁明も言い訳もないのに。それに彼ったら今日の朝、あの子と一緒に登校したんですって。坂の下で会ったからって一緒に歩くかしら。わたしならそんな勇気がないから見て見ぬふりをして一人で歩くけれど。わたしだって彼と話したいのに。なんて言いながらも避けているのはわたしのほうで。昨日廊下でばったり出くわしたのに知らんぷりをして目すら合わせなかったのもわたし。今日すれ違ったときにお互い気付いていて、向こうはわたしのことを見ていたのにわざと無視したのもわたし。嫌われるくらいなら自分から離れるのがくせになってる。そんななのに彼と話せるあの子に嫉妬するなんてお門違い。すべての出来事の相手が彼女で、そんなことにはならない相手だってわかっているからあまり態度に出さずに済んだけれど、ほかの女の子と話したり、ましてや一緒に学校に行くなんて、耐えられない。別に彼はわたしのものでもなんでもないからこんなことを言えるわけじゃあないのだけれど、でもやっぱり嫉妬する。男の子と一緒に学校に行くなんて絶対にありえない!一度くらいやってみたいのに、どうしてあの子と彼なの。それに昨日、部室に来てくれるかも、なんてわくわくしていたのに結局顔すら出さなくて、そのくせ今日来てたんですって、わたしが推薦入試の説明会でいない間に。どうしてそんなタイミングで来たのよ、いるときに来てくれたら話せたのに、ちゃんと面と向かって顔を見られたのに。それに玄関のほうに向かってリュックまでしょって歩いていたのに、どうしてわざわざ3階にまで言ったのかが不思議。もしかしてわたし以外の人に会いたくて、わたしのいない間にちらっと遊びに言ったのかしら、なんて考える。別に彼に好きな人がいるのはよろしくてよ。それに相手の女の子、わたしも大好きだし。でもあの一夫多妻制みたいな態度が気に食わない。わたしとあれだけメールしておいて、一気にさめて見捨てて今度はあの子と仲良くする気なのかしら。もうつまらないからさようなら?軽く見えるのって聞かれて、そんなことないって返したけれど、本当は軽いやつって思ってたのよ。だって周りに女の子が多すぎるもの。あの子も言っていたけれど、彼は彼女を何回も作ったことのある人なんだと思った。あの子が言うにはプレイボーイ(言い方…!)だって。わたしから見ても相当の遊び人よ。前々から感じていたけれど、わたしの勘は間違ってなかった。ときたま口説き文句みたいな言葉をさらっと言うし。妙に変態だし妙に優しくて思いやりの心いっぱいだし。お洒落だし。何回かヤったことありそうなイメージ。こんなに嫌味たっぷりに書いておいて、大体の原因はわたしのほうにあるのも重々承知。極端な被害妄想で彼のことを避けているのも私。でもそれが自己防衛の術なのですから変える気なんてさらさらありません。でもやっぱり彼と話がしたいから、部室に来てよねえねえ、って話。