五本指と鍵盤と光る銀の刃

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わかったの。
私はずっと、彼女は私に心を開いてくれてない、
信頼してくれてないって思ってたんだけど、違ったわ。
彼女は私に話してくれた通り、沢山頼ってくれてたの。
只それに私がちっとも気付いていなかったのよ!
私といる時、ボソッと愚痴を呟いていたの。
クラスのことも、家庭のことも、話してくれてたの。
彼女が話してくれてるのはほんの一部だろうけど、相談してくれてたんだわ。
なのに私ったら、全然気付かずに適当に答えてたのね。
折角私に普段見せないような部分を見せてくれたのに、
私はちゃんと聴いてあげなかった。
私って口だけなんだわ。
何でも相談してねって言ってるくせに、
いざ相談されるとなると何も気の利いた言葉を言えない。
励ますことも慰めることも出来ない。
というよりかは、多分する気が無いんだわ。
人の弱いところを見て喜んでるの。
自分だけがその人の誰にも言わないような秘密を知れて嬉しいの。
勿論秘密の話を人に話すなんて酷いことはしないけれど、
聴くのは大好きなのかもしれないわ。
自分のことなのになのかもしれないなんて曖昧だけれど。
とにかく、彼女は私を頼りにしてくれたんだわ。
嬉しいけれど、期待に応えられない自分が嫌になるわ。
私と去年同じクラスだった友達が、今年は彼女と同じクラスになったのよ。
私の友達も彼女も、知っている人がいなくて寂しそうだったから、
友達に彼女のことを紹介したの。
そうしたら、私の友達が彼女のことを気に入って。
彼女の方も楽しそうだったから良いかなって思ったんだけど。
見ていたら、無理矢理私の友達のテンションに合わせているみたいに感じて。
彼女は私なんかよりもずっと大人だから、
そういうことはあまり態度に出さないんだけれど、まずかったな、って思った。
私から見た友達同士をくっつけるっていうのはいけなかった。
そんなこんなで彼女の方は煮え切らない感じだったんだけれど、
私の友達はすっかり彼女のことを気に入っちゃって。
私が口出しすることではないんだけれど、私が悩んだわ。
彼女に新しい友達が出来たのは良いけれど、
嫌々なら無理矢理作ってしまった私が悪いわ。
今日も相変わらず私の友達のテンションに振り回されていたから、
今更私が中途半端に口を出したこと、後悔してる。
しかも彼女が私の友達のこと、友達って認めて。
凄くかなりとっても複雑な気分よ。
最近、色んなことを考え過ぎていて、おかしくなりそうなの。
たまには全部忘れて、脳天気に過ごしてみたい。
実際、問題なのは彼女のこともあるにしろ自分の人間関係だし。
まず自分、よね。先生。