あの日の、

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大学に入って驚いたのは、かっこいいからという理由が動機として成立するこ
と、エゴみたいなものは理由にならないと思っていたし、なんとなくは許され
なかったし、かわいいからは認められなかった、軽音に入ったのはステータス
だったけど表向きは楽器の上達で、でもかっこいいじゃんと堂々と言った人が
いて私は目から鱗、恋人がいることもまた私の中では100%ステータスで、勿論
本人には言っていないし建前としては私も好きだったから、だったけど、実際
情は移っていたかもわからないけど、でも大学で彼氏がいることがステータス
と言ったのをきいてそういう考え方も認められるのかと思った、中ゼミの先輩
はステータスなんかどうでもよくて純粋に恋してるけどね、作品を作るのにも
何か動機がなければダメな風で、小中の図画工作、美術なんて理由は求められ
なかったけど、私はそもそもやってしまったことに理由付けするのが昔からす
ごく苦手だ、なんで、ってそんなの出来心だ、魔が差したって、これ立派な理
由でしょう?直感で行動するの、悪くないんでしょう?何でと問われてそれら
しい理由を付けないと許してくれないあの空気がすごく嫌いだった。だから理
由は尤もらしいものを用意すべきだと刷り込まれていて、作品作りの動機がか
っこいいからは腹立たしささえ感じたし、何も考えずして作るなんてろくでも
ないと思ってた、から、そのせいで趣味と作品を一緒にしてはいけないと強迫
観念に囚われていて、でもそうじゃないんだと薄々気付いてきて、私のセンス
とかそういう好きなことの類いを取り入れて良いとわかって、少し出口が見え
た気がした、子供時代を描く、子供時代に戻る、ときいて色々思い出してるけ
ど私は何を描くべきなのか本当に本当にわからない、感情を絵画にするのはお
そろしく難しい、統一性もない、テーマがほしい、そのへんのことを先輩にき
きたいけど如何せん真面目な話をするタイミングがない、気になる、趣味に明
け暮れて遊び呆けている、就活のことも現実逃避している、私は運が良い、そ
れはなんとなく自分でもわかる、こうして五体満足なのは大袈裟ではなく本当
に奇跡、実力もないのにほいほいここまで良い思いをしてこれたのも環境と運
、いじめを受けたのはトラウマだけどその分毎日感謝できるのは初心を忘れて
驕り高ぶらなくて済むのに役立っている、大学は良いところだ、遊んでいても
学べる。