跡形となった幸せの場所だった部屋で

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最後にハグは出来なかったけど、気持ちなりのプレゼントをして、思いは文字に込めて綴ったつもりだけど、果たして伝わっているのだろうか。

最後の最後に、跡形となった幸せの場所だった部屋で過ごして、眼鏡姿とか見て部屋着なんか借りちゃって。想い人になって到底なれっこないのに、抱き合って眠ったり抱きつかれたりしたら名残惜しくなるじゃん。

私は隠し通して穏やかに終わりを迎えたけど、彼側はどうだったんだろうか果たして。愚かなことはしないと思うけど、バレてる兆しもないけど。このまま墓までか。そんな記憶ばかり今年は増産してる気がするよ。

過ごした一つひとつが希少で思い出深かったから、ふとした瞬間にフラッシュバックしてしまう。
気持ちを伝える気はさらさらなかったしこれから先もだけど、そう思ってはいたんだよってこと、もうちょっと匂わせたら良かったかな、なんて。
馬鹿じゃないから気付いてるか。
終わりが来るってこと、最初から分かってたのに。
明日すっからかんの隣の席を見て、切なさが込み上げてきたりするかな。まだ実感できていない。

職場にちゃんとしていかなきゃいけない理由はもうない。爪が剥げていても、お昼食べた後も、気になる人はいない。皮肉みたいなタイミングで肌が整ってきても、もう話しかけたい相手は彼方なので。